カナンでの、敦と再会する直前の会話だ。
俺は親も家族も知らない。だから、お前がそう言ってくれて…嬉しかった…」
葉月の目から涙があふれる。
だからこそお前は敦のところに戻るべきだと思った。幸せな家庭を知らない俺には、お前を幸せにしてやれる自信がなかった…。だから俺はお前から逃げるようにカナンに残ることを選んだんだ。」
初めて語られるザンの告白に、葉
緊緻肌膚 月は泣きながら首を振る。
一緒に幸せになることもできたはずなのに、私が敦を選んだの。ザンは悪くないよ。ごめんなさい。ザンを選べなくて…ごめんなさい」
葉月が何度も謝ると、悲しげな表情のまま、ザンは葉月を抱き寄せ、しっかりと抱きしめた。
久しぶりに力強い腕に抱きしめられた葉月は、そっとその背中に手を回す。
だからね、私…、一人になろうと思う。」
葉月…」
ザンを忘れられないまま、敦と一緒にいて、敦の事も大好きで…。そんなどっちつかずだから敦をすごく傷つけちゃった。今回、ザンを選んでも、また同じ事が起こると思うの。ザンと一緒になっても、私はずっと敦 を引きずると思う。今後敦が落ち着いて会いに来てくれたら、皆でまた再会する機会があったら…きっとすごく揺れると思う。…だから一人になって、私は私なりにやり直そうと思うんだ」
きっぱりと言う葉月の表情を見て、ザンはその決意が固い事を知る。
ザンにも敦にも、頼るばかりで何もしてあげられなかったけど…、私も東雨宮の一人だし、何らかの形で償わなきゃ行けないと思うの。綾子さんのことも気になるし、ベビーヨシュアも可能なら引き取って育てたいと思ってる」
一人で、育てるのか…」
母と住もうと思って。もし父が出て来てくることができたら…、3人でヨシュアを育ててもいいかなって思ってる。今度こそ、きちんと両親とも向き合いたい」
お前の父は、どうなるん
Unique Beauty 好唔好 だ」
分からないけど、ずっと『カエルム計画』には反対し続けていたみたいだし…いつかは出て来れるんじゃないかって、栄太さんは言ってた…」
そうか…。だが、母親の看病をしながら子供を育てるのは、大変だぞ。仕事はどうするんだ」
またインストラクターでもしようかなって。幸いしばらく暮らして行けるくらいのお金はレイが皆に振り込んでくれたでしょ?だから、子育てしながら母を看て、ゆっくり考えるよ」
葉月は涙をぬぐって笑った。